中学受験か、高校受験か(塾長ブログ2)

● 小学生の6人に1人は中学受験
あるデータによれば、首都圏(一都三県)の中学受験割合は16%程度となっており、
6人に1人は中学受験をしている計算となります。
地域を限定すれば、もっと受験割合が高いところも沢山あるでしょう。
私自身は中学受験をせず、地元の公立中学校に進学しましたが、
私の通っていた東京の公立小学校でも、同級生の5~10人は小学校4・5年生の頃から塾に通い、
中学受験をしていたように思います。
今思うと、小学生の夏休みなどは家でダラダラと過ごしている時間が多く、
退屈していた時間を塾で勉強できていたら、もっと充実した小学校生活になったのかもしれません。
 
● 中学受験のメリットは?
私自身は、中学3年生で初めて受験を経験して感じたのですが、
入試を経てある学校に進学した場合には、その学校には一定の均質性が生まれます。
第一志望であるかは別にして、その学校を選び、入試で合格して入学するということは、
近所の公立小・中学校に通うよりは、生徒が一定の似通ったものをもつことになります。
私自身は、同級生が似通ったものを持っているこのような高校の環境を、小・中学校よりも「過ごしやすい」と感じました。
年齢が上がったということもあるとは思いますが、自分の考えを理解してくれる人が増えた、
あるいは人の考えを無下に否定する人が減ったように私は感じました。
中学受験をして国私立中学や公立中高一貫校に進学すれば、
特色のある授業であったり、より個性の際立った先生であったり、
高校入試による中断がなく、落ち着いて6年間一貫した教育を受けられるなど、数多くのメリットがあるように思いますが、
私がその一番のメリットを考えると、この「均質性がもたらす過ごしやすさ」だと思います。
 
(私自身は公立小・公立中の出身で、その良さも沢山知っていますが、
 ここでは受験をして進学する学校のメリットのみを書いておくこととします)
● 中学受験に向く子・向かない子
では、中学受験は皆が経験した方がよいものなのでしょうか。
自分自身の経験を例として、中学受験には向いていないのではないかと思う場合も考えてみたいと思います。
1)頭の発達が追いついていない。
私自身は中学受験を経験していませんし、自分は中学受験には向かない小学生だったと思っています。
その一番の理由は、当時中学受験問題を見たときにも、そして塾を開いている今改めて解いてみても、
当時の自分にこのような問題がしっかりと理解でき、効果的に勉強を蓄積することができたとは思えないことです。
私自身は、小学校から中学校前半までを自分のペースでゆっくりと勉強の土台づくりに使えたことで、
劣等感を感じることもなく、自分の頭の準備ができてきた頃から難しい問題に少しずつ取り組むことができました。
 
自分で難しい問題をしっかりと考えることができるようになったのは、
中学3年か、もしかしたら高校1年になってからかもしれません。
このとき初めて、1つの問題をじっくり時間をかけて学ぶことを覚えたように思います。
小学生を教えていて、中には難しい問題を考える頭が既にできてきている生徒も確かにいます。
このような小学生が、学校や普段の勉強に物足りなさを感じているのであれば中学受験も多いに勧められますが、
学校の勉強にゆとりを感じていない状況で、
中学受験問題に必要なトレーニングを高速で積んでいくような状況は避けた方がよいのではないかと私は考えています。
2)受験に必要な勉強時間が取れない。
私は小学生の時は、サッカーをする時間が一番好きでした。
当時は小学校の校庭は生徒のために開放させており、毎日暗くなるまで同級生とサッカーをしていました。
また週末にも、サッカークラブの練習に参加をしていました。
私の場合はサッカーが好きなことが当時の自分の心の支えでしたから、
中学受験をするために塾に通うことで、もしサッカーの時間が取れなくなっていたら、
かなりのストレスと不安定な心理状態となっていたのではないかと思います。
塾に通い勉強ができるようになることが心の支えとなる小学生も一定数はいると思いますが、
塾通いが自分の好きなことをする時間と大きく重なってしまい支障をきたす場合にも、注意が必要ではないかと思います。
3)金銭的な負担が大きすぎる。
私の家は、中学受験のために大手進学塾に通わせたり、私立の学校に中高6年間通わせるような余裕はなかったように思います。
大手進学塾の場合には、講習代・テスト代・テキスト代も含めると、3年間で200万円以上は必要になり、
その後学校へ支払う入学金や授業料を考えると、金銭的な負担は相当なものになると思います。
また、私は高校時代数学の塾に通っていましたが、そこに通っている大半の生徒は中高一貫の私立の生徒でしたので、
中高一貫校に進学したからとって、学費だけでなく、他に塾代も必要となる場合も多いのではないでしょうか。
中学受験をする場合には、このような長期的な金銭的負担は十分考慮しておく必要があると思います。
中学受験を検討される場合には、
上記1)~3)も検討材料に加えていただくとよいかもしれません。
また受験勉強にチャレンジしてみたうえで、途中で中学受験は合っていないと判断してもよいですし、
中学受験の勉強がきっかけで、合否の結果にかかわらず、勉強の楽しさに目覚めるということもあると思います。
中学受験は小学生にとっての選択肢の1つとして、
お子さんの特性にあうのが「中学受験であるのか、高校受験であるのか」見極めていただければと思います