勉強の習慣化の重要性(塾長ブログ6)
「勉強の習慣化」(毎日当たり前のように勉強を続けること)
これが学力向上には最も効果的です。
塾の授業では、数学の難問のカッコイイ解き方や
国語読解問題の選択肢の選び方のコツ、歴史や地理の知識の効果的な覚え方など、
塾らしい「少し派手」な演出もやはり大事だと思います。
しかし、いくら派手な演出を楽しんだところで、
毎日の勉強の積み重ねでしか身につかない「勉強の土台」がなければ、
塾の授業も、見て楽しむだけのただの娯楽になってしまいます。
塾の授業を効果的に、かつ楽しく受講していただくには、
勉強を習慣化し、勉強の土台づくりをし、
勉強した内容が蓄積されていく感覚を身につけることが不可欠です。
では、その「勉強の習慣化の難しさと効果」について、
また、「鳥飼塾では勉強の継続をどのようにサポートしているか」について
書いていきたいと思います。
● 毎日1時間の勉強を続けることの難しさ
塾を始めて以来、数多くの小中学生と面談をしてきましたが、
「毎日1時間程度の勉強を継続している小中学生は非常に少ない」
というのが私の印象です。
(一方で、習い事で毎日忙しく過ごされている小学生は多いです。)
塾で指導をしていて、難しさを感じるのが、
この「1時間程度の勉強を継続してもらえるか」ということです。
私の塾では、体験授業の際には必ず、
少なくとも毎日1時間程度の勉強が必要となる宿題
(例、漢字・計算・思考力養成パズル問題・読書課題など)
をお渡しし、3日程度継続できるかを確認いたします。
(これは、勉強を継続する習慣を身につけない限り、
効果的に塾の授業を受講していただくことができず、
学力の向上もお約束できないためです。)
宿題の内容は漢字や基礎計算が9割ですので、
難しくて宿題ができないということはありません。
面談の際に「やってくる!」と約束した宿題を3日間継続する、
その意思があるかどうかを見させていただくのですが、
この段階であきらめてしまう生徒さんはほとんどいません。
(「毎日1時間の宿題はできない」と
体験授業を希望されない生徒さんももちろんおられます。)
● 毎日1時間の勉強を積み重ねると・・・
私の塾では体験授業を2回行うのですが、
この1週間、毎日1時間の宿題を継続できる生徒となると、
入塾試験合格者のうち3分の2程度まで人数が減ってしまいます。
なぜ、3日は継続できたのに、7日になると継続できない生徒が増えてしまうのでしょうか。
それは、私自身にも思い当たることですが、
面談の際に「やるぞ!」という気持ちが芽生えても、
ご自宅に帰り、普段の生活に戻ってしまうと、
だんだん「やるぞ!」という気持ちや緊張感が薄れてきてしまうことが原因として考えられます。
これは大人でもあることですので、仕方のないことではあると思います。
しかし、だからこそ、毎日1時間の勉強を継続する習慣を身につけられた生徒は、
その他大勢の中から一歩抜け出し、学力向上のきっかけを掴んだことになるとも言えます。
毎日1時間の勉強を継続できたとしても
1日では1時間、1週間では7時間と、短く感じられるかもしれません。
しかしご自宅での勉強習慣が身についた場合の勉強時間は、
毎日1時間の勉強で、年間およそ350時間となります。
毎日の勉強をやっていない生徒も
10時間程度の勉強時間であれば、「すぐに追いつける」と感じられますが、
350時間の勉強時間になると、なかなか「追いつける」とは
感じられなくなるのではないでしょうか
また中学生になると、勉強時間も毎日2~3時間に増えていきますので、
毎日2時間の勉強で、年間およそ700時間
毎日3時間の勉強で、年間およそ1000時間
にも達し、後続のランナーたちにはもうその背中が見えなくなってきます。
ちなみに塾の授業で勉強する時間は、
小学生クラスの場合、年間でおよそ130時間(1.5時間×85日)
中学生クラスの場合、年間でおよそ270時間(3時間×90日)
となり、「塾の授業でしか勉強していない生徒」と「ご自宅での勉強を継続している生徒」でも
その差は大きく開いてしまいます。
この勉強時間を毎日確保し、蓄積してきた生徒には
勉強を継続する力を含めた、勉強の基礎体力が身についています。
ちょっとやそっとの勉強で、この生徒に追いつくことはできません。
塾では、この年間300~1000時間にも及ぶ
ご自宅でのこの勉強時間をできるだけ楽しく、そして効果的に継続していただけるように、
生徒の理解度に応じて宿題の難易度を調整したり、ヒントを出したり、
確認テストや発表など塾でのアウトプットの場を設けたりと、
様々な工夫をすることを心がけております。
● 鳥飼塾での取り組み
塾にいらしていただき、テキストを使用した授業を聞いていただくだけで、
やる気や緊張感は継続するでしょうか。
塾の授業中勉強するだけであれば、やる気や緊張感を継続することは比較的簡単ですが、
ご家庭での勉強習慣を継続できる生徒は非常に稀でしょう。
(私自身も根性だけで毎日1時間の勉強を継続するのは、1週間が限度かもしれません。)
宿題の内容に新鮮さや面白さの要素(やっていて「快感」を感じる要素)がなければ、
1週間を超えて長期的に継続することは困難です。
だからこそ、ここからの工夫が塾の指導の大事なポイントとなります。
1) 1週間スケジュールの作成と手帳による勉強記録
毎日1時間の勉強を継続しようと思っても、
ただ「頑張ろう!」という掛け声だけでは勉強は継続できません。
1週間の生活パターンの中に勉強時間を予め入れてしまい、
その時間になったら、問答無用で机の前に座るという習慣をつくる
ことから始めます。
せっかく毎日机に1時間座ることが実行できたのであれば、
その時間を手帳に記入し、目に見える形で記録を残します。
なんとなく勉強しているつもりになるのではなく、
手帳への記録を通じて、1週間、1か月で見たときにその勉強時間を確認することで、
勉強を継続する意欲を維持することにつながります。
2 自分の成長を自分で感じられる体験(目に見える成果)
勉強時間を手帳に記録することで、
1週間の勉強時間(例えば10時間)、1か月の勉強時間(例えば50時間)
といったように自分の勉強時間の蓄積が目に見えるようになります。
しかし、この時間記録だけでは、
本当に自分に実力がついてきているのかという不安が残り、
この不安が勉強の継続を妨げる1つの大きな壁になります。
(例えば「このまま続けて本当に効果があるの?」という不安です。)
この不安を取り除くためには、
1週間前と比べて、あるいは1か月前と比べて、
「何ができるようになったか」
「何を覚えたか」
ということを目に見える形で確認していくことが効果的です。
勉強には短期的に変化を感じることが難しい内容も多いのですが、
だからこそ、変化を感じられるものに関しては、
「〇〇はクリアした!」
「〇〇は覚えた!」
などの成功体験を得るために、
意識的に小さなハードルを設定していくことが大事だと思います。
〇小学生クラスの取り組みの例(目に見える成果)
小学生クラスでは、毎回の授業で、
毎日の課題を通じてできるようになったことを確認することを特に重視しています。
目の前に定期テストや受験を控える中学生よりも、
小学生が勉強を継続するモチベーションを維持することは難しく、
すぐに目に見える成果7割、長期的な視野での成長3割といったイメージで
トレーニングメニューをお渡ししています。
〇漢字テスト(20問テスト)
間違いが2つ以上の場合、次回も同じテストor次回は倍の40問テスト
〇100マス計算テスト(初級~中級~上級)
目標タイムをクリアするまでは、次のレベルには進めない。
〇読書発表(1週間に1冊)
読んできた本に関しての発表。内容に関する質疑応答。
〇パズル問題(易~難までのレベル別で5枚以上)
間違えたものに関しては再度宿題に(必要に応じてヒントあり)。
ご自宅でのトレーニングの成果を、緊張感を持って塾の授業で発表・確認することで、
「また次の課題も頑張ろう!」
という意欲が湧いてくるような授業時間にすることを心がけています。
〇中学生クラスの取り組みの例(目に見える成果)
〇英語例文テスト
間違えた単語は5回、間違えた文は3回その場で練習。
長期休み(春・夏・冬休み)明けには、例文のまとめテストをするため、
中1でおよそ150例文、中2で200例文を暗記してもらい、
英語の基礎構文を身体で覚えてしまうまで反復します。
〇歴史年表
時代ごとの大枠(例:鎌倉時代1185-1333)に加え、
時代の流れをつかむために必要な最低限の年号(例:1600年 関ケ原の戦い)を暗記してもらい、
次の授業の際には必ずテストをします。
テストをする際には、それまでに覚えた年号の確認テストもするため、
これまでに覚えたものを何度も反復し、完全に覚えてしまいます。
〇定着度確認テスト
英語や数学に関しては、前回の授業で解いた問題の全問(あるいは重要問題のみ)
解き直しの確認テストを行います。
難問を除いて、合格点は満点となり、間違った問題は、その場で確認し解き直しとなるため、
家で復習をする動機付けとなります
勉強は、いきなり3時間、5時間続けようと思っても、
集中力を維持した状態を継続できるものではありません。
毎日1時間の勉強を、まずは1週間。それが達成出来たら、次は1か月。
その後、勉強時間を1.5時間、2時間と増やしていくうちに、
毎日一定の勉強時間を継続することが当たり前になります。
ご家庭での勉強がこの状態に達した中で、
塾の授業を通じて、効果的な勉強法や問題の解法・暗記法などを吸収しし、
ご家庭での勉強にも取り込むことができれば、
必ず目に見えた勉強の成果が現れ、更に勉強を継続できる状態になります。
一度この状態に達してしまえば、勉強しない日に違和感を感じるようになり、
もとの状態に戻ってしまうことに抵抗を感じるようになります。
決してラクな道のりではありませんが、
一生モノの勉強習慣を、鳥飼塾で一緒に身につけてみませんか。